赤い林檎





「あ゙?だったらなんだ、よっ!」


偉そうな男の横にいた不良Aが殴りにかかってきたけど、スイッチの入ってる瑠色は難なくそれをかわす。


「はっ、てめぇ誰だよ」

「通行人だよ。てかお前らカツアゲとかだっせー。」

「んだと?やんのか、あ゙ぁ?」


一気に不良BとCがかかってくるが、それもかわしてそれぞれに鳩尾と脇腹に蹴りを入れた。


紫音に拳を使うと手にまめやらなんやら出来て、女の子の綺麗な手じゃなくなるから、素手で絶対に殴るな!って言われ続けてるから普段瑠色は足しか使わない。

ってか普通のお兄ちゃんなら、女の子なんだから喧嘩はするな、なんだろうけど紫音は瑠色に甘いから。


「はっ、所詮お前らも口だけか。カツアゲすんなら、一人でしろやっ!」


そう言いながら不良Aの顔面目掛けて回し蹴りを入れた。

三人が蹲ったところで偉そうな男にりんご飴を食べながら声をかけた。


「で、どーすんの。まだカツアゲ続けんのか、あ゙?」

「あ…いや、やらねー…っす」

「そ。じゃあそいつら連れて帰れ」


瑠色の一言でばたばたと不良四人は帰っていった。


あー、エリートさん無事でよかったね。

喧嘩モードじゃなくなった瑠色は黙ってエリートさんの横を通った。





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