優等生な彼vs不真面目な彼
【8】放課後の涙
『いますように・・・』って半分祈りながら階段を上る
少しさびた屋上のドアを
何でか分かんないけど音を立てないように静かに開ける
・・・足を踏み入れようとして話し声が聞こえて立ち止まった
?「ねー、かずぅ、あたしのことスキ?」
?「当たり前じゃん」
?「じゃー、キスして」
?「・・・んー・・・・・・」
・・・・・・誰?
新田君と・・・女の子の声?
覗いてみると、2つの人影が見えて・・・
・・・・・・キスしてる
新田君が、誰か分からない女の子を
抱きしめて、頬を優しくなでて、大事そうに唇を包んでる
足元に彼のマフラーが小さな音を立てて落ちる
・・・・・・あたしはただ、その場から動けずにいた