優等生な彼vs不真面目な彼
翔「・・・新田」
和「・・・・・・」
「翔君・・・」
新田君を見てから、ゆっくりとあたしに視線を移す翔君
あたしと目が合うとこっちに向かって歩いてくる
翔「手、離せよ」
和「・・・生徒会長さんにはカンケーないっしょ?」
翔「関係あるから言ってんだろうが」
和「意外と独占欲強いんすねー?」
翔「・・・おちょくってんの?」
・・・なに、この2人
仲悪いの・・・?
翔「・・・嫌がってんだろ?」
和「・・・俺にはそうは見えませんけどね?」
この2人の間に流れる空気が怖すぎる
「・・・翔君、か、帰ろ?」
自分から新田君の手を振りほどいて翔君の隣に駆け寄る
翔「・・・うん」
翔君の思いのほか優しい声に安心して
なかなか動こうとしない翔君の背中を、無理に押して教室を出ようとする
とにかく、この気まずい雰囲気の中から
一刻も早く脱出したかった
教室を出る直前
和「・・・・・・萌」
って後ろから優しく名前を呼ばれて
一瞬足が止まる
けど『これじゃだめだ』って気づいて
震える足を必死に動かして
教室を後にした