優等生な彼vs不真面目な彼
屋上の階段を駆け上がって
扉の前で大きく深呼吸した
久しぶりにそのさびたドアを開けると
目の前に冬の空が広がる
和「・・・え、委員長?」
彼の声を聞くのも久しぶり
「・・・こんにちは」
和「・・・こんにちは(笑)」
「・・・・・・」
和「ん-、なに(笑)怪しいな」
「、何、それ」
和「新田君に会いたくなった?」
「・・・・・・」
和「・・・否定しなさいよ(笑)」
優しい温度の新田君の声に、前はあんなに安心してたのに
今はなんでか鼓動が早くなる
「これ・・・」
和「んー?なに」
彼の目の前に補習のプリントを出す
「補習の、プリント」
和「あー、またおつかい(笑)?」
「今日の、放課後だって」
和「返しといて?」
「っっっだめ!!」
急に大きい声を出したあたしに
新田君は分かりやすく驚いた
和「え、なに(笑)」
「・・・ダメなの。補習、ちゃんと受けて」
和「・・・どうした?」
「留年、・・・するかもって」
和「あー、・・・マジ?」
「・・・うん」
和「そっか。・・・そんじゃ、仕方ないね」
「え?」
和「・・・大丈夫だよ、ちゃんと行くから(笑)」
「・・・・・・」
和「1人だけもう一回二年生とか嫌だしね」
彼は『仕方ないな-』ってまた笑って
ゴロンっ、て寝転がった
和「わっかんないけどね(笑)・・・足りない頭で考えますか」
そう言って、プリントをペラペラめくってじっと見つめる
「・・・・・・あたし、教えようか?」
無意識に、そんな言葉が口をついて出た