優等生な彼vs不真面目な彼
【19】教室での密会
放課後
『一緒に帰ろう』って言ってくれた翔君に
『先生と話があるから』って嘘をついた
……ごめん
ごめんね、翔君
自分でも何やってんのか不思議なくらい
あたし、暴走してる
夕日に染まった教室に、新田君の姿を見つけて
思わず口元が緩む
「ゴメンね、新田君。お待たせ」
和「ん、平気」
本来の自分の席に頬杖を付いていた彼は
あたしの姿を見つけて
『う゛ーん』って一回背伸びした
あたしは彼の席から離れた、自分の席に座って
「分かんないトコがあったら遠慮なく聞いてね」
って、新田君の顔を見ないで呟いた
和「……なーんでそんなに遠いトコ座んのよ(笑)」
カタン……って小さな音を立てて、新田君があたしの隣の席に座る
「え・・・」
和「やりにくいでしょ(笑)」
机と机とをくっつけた時
フワッ、って香ったシトラスの香水の匂いに
胸がきゅう・・・って音を立てた