散歩
散歩
 

温かい日差しが部屋に射し込む、昼下がり。


彼と二人、思い思いに過ごす休日。


「暇。」


「へ?」


本を読んでいた私の視界に、突然現れた彼の顔。


「わっ」


「ねぇ、散歩行こ?」


散歩のおねだりだ。


私は窓に寄っていき、レースのカーテンを開けて、外を眺める。


ほんといい天気。


散歩日和だな。


「うん。行こっか」


私の答えに、彼の嬉しそうな顔が見えた。


いつもはしない彼の表情に、私は少しドキッとした。

 
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