散歩
 

手が離れるのが嫌で、私は何も言わずに彼についていく。


車道側を歩いて導いてくれる彼に、私は幸せを感じた。


散歩の目的地に着く。


海。


潮風に吹かれる。


波の音が心地いい。


「ちょっと休も」


「うん」


私は頷いた。


堤防に座ると同時に離れた二人の手。


あ、離れちゃった…。


何だか、寂しく感じた。


こんなに近くにいるのに、手が離れただけて寂しいなんて、変なの。

 
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