散歩
 

彼は堤防から立ち上がり、私の目の前に手を差しのべる。


「!」


これまた、いつもはしない行動。


今日はどうしたんだろう…。


こんなにドキドキさせられる散歩、今までなかった。


でも、嬉しさの方が勝っていて、何も言えなかった。


私はそっと彼の手の上に、手を乗せた。


にこっと満足そうに彼が笑う。


ヤバい、照れる~!


必死にポーカーフェイスを装う。


それをわかってか、堤防から立ち上がった私の耳元で、彼はこう囁いたんだ。

 
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