シャボン玉の遠足

「なぁ、竹。今日の松山って・・・」


「今日は、よかったですね。二人きりで話ができて。」


俺の言葉を遮るように喋りだす。


「おうよ！あんなに松山と話しをしたのは初めてだったかもな。だけど、途中で泣き出してよ・・・どうしたんだろ？」



「突然泣き出した？いつですか？全然気付かなかったな・・・それは、いつですか？」


マンガを並べる手を止めて竹が俺の顔を見ながらいった


心配そうな顔をしながらも一瞬とても期待に膨れた表情をしたような気に見えた


「言っとくけどな、俺が泣かしたんじゃないぜ。」


「誰もそんなこと言ってないじゃないですか。」


「一瞬そんな顔に見えたぜ。銀河鉄道の夜の朗読が流れた時、いきなり泣き出したんだ。」