好きになった。
prologue.
5歳の春……
あたしは病院のお庭で大泣きしていた。
「やだやだー!りっちゃんいかないでぇ…。」
「美緒、しょうがないでしょ?
そんなに泣いたら燐くん困っちゃうわよ?」
目線をあたしに合わせてなだめるお母さん。
「だっ…て…みお、りっちゃんだいすきだ…もん…! いったらやだー!うわあぁぁん――」
話しを聞こうともしいあたしに、困った顔をするお母さん。
顔は涙でぐちゃぐちゃになって
鼻も頬も真っ赤になってて……。
それでも涙は止まらなくて
泣き止んだらもう二度と、
りっちゃんに会えなくなりそうで…―――
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