好きになった。



「ちょっといい…?」


「あ゙ぁ? 何か用なのかよ?」


「ふぇ…。」


顔を上げると不良さんの後ろに
誰かが立っていた。


「ジュース買いたいんだよね。
俺の言ってることわかる?」


「は?なんだこいつ(笑)」


「分かるわけねぇってなあ♪」


大声で笑ってる不良さん…。

でも、後ろの人が見えない…


「これだから馬鹿は困る…」


その人の一言で不良さんの笑いが
ピタッと止まった…―――――


「はぁ?」


「要するに邪魔…」


「てめぇ、ふざけんなよ!!」



一人の不良さんが片手を振り上げた…


「あっ!」


反射的に目を瞑ると、人が倒れる音がした。


少しして恐る恐る目を開けると、あたしの前に
不良さんが二人転んでいた。


「威張ってるわりに弱いね…」



上から降ってくる言葉に不良さんは
何も言い返さずに走って逃げて行った。








.
< 10 / 82 >

この作品をシェア

pagetop