好きになった。
目の前で鞄を抱き締めてるのは
美緒……だよな…?
やっと…――――
「相変わらず、泣き虫だね。
……―――――――美緒?」
そう言った俺の一言に
下を向いていた顔が
俺に向けられる……―――
俺に向けられた顔はあの頃と
そんなに変わってなくて…―
クリクリした大きな目…。
長い睫毛に、ニキビひとつない
真っ白で綺麗な肌…。
少し泣いていたのか目は潤んでいて、
赤くなった頬には涙が垂れていた。
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