好きになった。
「美緒っ!」
後ろを見るとりっちゃんが立っていた。
「りっちゃん……?」
隣のコートでは男子が
バスケをやっていた……。
「美緒…、手離して?」
床に座って居たあたしに目線を合わせ、
しゃがみ込むりっちゃん。
「痛くない…もんっ…。」
「美緒…、俺の言うこと聞いて?」
あたしを宥めるように話す
りっちゃんの言葉には逆らえず
頬から手を話した…。
「腫れてるね…。我慢しなくていいよ。」
そう言うとりっちゃんは
髪を触り、頭を撫でた。
優しいりっちゃんの声…
温かいりっちゃんの手……
まただ……
すごく安心して我慢してた事
なんか忘れてしまう。
「りっちゃ…ん…。
痛…いよぉ…………。」
目から溢れ出す涙。
「保健室行こっか…?」
「………っ、ふぇ…。」
りっちゃんは、あたしの手を
掴み歩き出す。
「永澤…。後は任せた……」
「わかってるよ…」
泣いててよく聞こえなかったけど
楓ちゃんの横を、通りすぎる際に
りっちゃんと楓ちゃんが
何か話をしてるような気がした。
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