好きになった。






「はい、これで冷やしてね。 」



保健室の先生から手渡された
氷嚢を右の頬に当てた。




「口の中も切れてるわね…
深かったから治るのに少し
かかっちゃうけど……。」





「…あっ。「ありがとうございました」




あたしの言葉を遮り変わりに
りっちゃんがお礼を言ってくれた。





「いいえ、まだ授業終わらないし
ベッドで横になっていったら?」




「美緒…、休んでたら?」




「…………うん。 」








****************







ベッドに横になり、その上から
りっちゃんが布団をかけてくれた。





「柳瀬さーん?」




カーテンの向こうから先生の
呼ぶ声が聞こえて"待っててね"




そう言ってりっちゃんは
カーテンの外に言ってしまった。




"待っててね"ってことは
またココに来るって事かな?




窓際のベッドに横になっているため

太陽の温かい光が優しく当たって
気持ちがいい…―――――



さっきまで泣いていたからか
だんだん重くなる瞼。





少しだけ…。






少しだけ…――――










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