好きになった。
「何なんだよ、お前…。」
「どーせ、美緒の事だろっ。
美緒優先のお前に何言ったって
無駄だからな~。 」
コイツに見透かされているようで
無性に腹が立った。
「ってかお前がやる気ねーだけだろ。」
こいつが球技系苦手とか
ありえねーし。
「お前が本気じゃないだけだろ?」
そう言って隣に居る流哉を睨み付けた。
「つーか、燐気付いてた?」
流哉は言い返しもせず、美緒たちとは
反対側に立つチームをジッと見た。
それにつられ、俺も流哉と同じ方を見る。
最初は気付かなかったが
明らかにおかしい…。
多分前に立つ二人はバレー部
っぽいが、
そいつらの打つボールが全て美緒を
狙っている見たいに動いている。
「多分…、楓も気付いてんだろーなぁ。」
隣に座る流哉がボソッと呟いた。
「まぁ、あの手のことは楓に
任せればいーけど、あいつら当てるつもりなのかな~。」
「………チッ。」
「まぁ、イライラすんな。
やってるやつらもどうせ、
くだらない理由なんだよ…
それよりあいつらが単独で
やってるのか、主犯がいるのか…」
イライラのあまり俺は
拳を壁に叩き付けた……。
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