好きになった。
afterwards.




「っん………。」



目を覚ますと、寝る前まで
心地よかった日は暑いぐらいに
変わっていた……。



それと同時に右腕に
少し重いような違和感。



「よく寝てたね、美緒。」



りっちゃんはあたしの髪の毛を
人差し指にくるくる巻いていた。



「ん…、りっちゃん………」



あたしが名前を呼ぶと
巻いていた髪をスルッとほどき
大きな手があたしの頭を撫でた。



「まだ痛む……?」


そう言うと、撫でていた手が
そっと頬に触れた…。



「ズ…キズ…キ、する……。」


目が覚めたばかりで上手く声が出ない。



「治るまでは痛いかな…?」


とても辛い顔をしてあたしを見る。



「う…ん……。
りっちゃ…ん、あのね。」



「どうした?」



「口の中が血の味でいっぱいで…
気持ち悪…いの…。」



あたしがそう言うと、



「お水飲む?
先生がお水ならあるからって…。」



「うん…。」









.
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