好きになった。
「楓から聞いたか?」
「あぁ…」
「かなり性格がひねくれてる
らしいからなぁ…。俺らも
気を付けるけど、一番の厄介者は
何を仕掛けてくるか…」
そう言う流哉は視線を教室のドアに向け
話しながら目線で合図を送ってきた。
さりげなく流哉の視線の先を見ると
女子が1人教室の中を覗いていた。
俺はまた流哉に目線を戻すと
流哉はなにも言わずに笑った。
あぁ、永澤がさっき言ってた奴が
アイツか…。
挙動不審にして、目線を送る仕草が
いかにもわざとらしく、イライラする。
「顔は可愛いけど、俺あの子
嫌いだなあ~。やっぱ楓じゃないと♪
燐はいかにも嫌いそうだけどね …?」
「美緒だけでいい…」
「だよね♪」
そんな話をしているうちに昼休みが
終わり永澤と美緒が教室に戻ってきた。
ドアの方を見ると、あの女子は
居なくなっていた。
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