魁桜


「大丈夫か?」

『あ、はい!ありがとうございます…』



女は俺を見た瞬間、何故か動きを止めた。

…俺のこと知ってんのか?

って、知らねぇ奴はいねぇか。

全国No.1の“魁桜”の総長がいるんからな。

目の前に。



「…式、遅れんぞ」

『あっ!やばっ!ありがとうございました!!』



そう言って女は、後ろに隠れていた女を引っ張って体育館に走った。

……不思議な奴ら。

俺を見ても何にも言わねぇ…。

それどころか、普通にしてた……。



「調べてみるか」



ふっと笑みを作り、踵を返した。

お前らの素顔…ぜってぇ暴いてやる…。




−?? side end−
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