魁桜
―――“お荷物”
あたしが、今まで一番恐れていた言葉。
この人が言う通り、あたしはいつでも稚里のお荷物でしかない。
男に絡まれた時助けてくれるのは稚里。
何かあればすぐに気付いてくれるのも稚里。
……今あたしが居るのはすべて、稚里のおかげ。
「えー、何?ほんとの事じゃん?実際、本人も気付いてるっぽいし。」
「だからって、言っていい事と悪い事がありますよ」
「わー俺が悪者かぁ…」
「別にそういうワケじゃ……」
あたしは、俯いていた顔を上げて先生を睨んだ。