魁桜


飛鳥くんのバイク乗って遊んでる…。



『でさー!てうおっ!?』



稚里の背中に目掛けて抱き付いた。

なんだか悔しい…。

魁桜の誰かに言われるなら納得出来るけど。

よく知りもしない相手に、しかもあんな奴に言われたのは悔しい……。



「あ、琴音ちゃん」

『え、あ、琴音?』



やんわりと腕を離されて、稚里がゆっくり振り向いた。

あたしは俯いて、ただ唇を噛み締めて涙を流していた。



『!?…泣いてんの?琴音』

「……ッ」

「えっ、大丈夫!?」



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