魁桜
「……分かってるよ」
ふっと鼻で笑って、琴音の頭を撫でる隼人。
「着きました。」
タイミングよく、車が止まった。
ここでは高級マンションの部類に入る住宅地。
…ほんとにこんなとこ住んでんのか?こいつら…。
「稚里?立てるか」
『…ごめん、まだ無理っぽい』
曖昧な笑みを俺に向ける稚里。
まぁだろうな、とは思ったけど。
「稚里ちゃん、何階?」
『最上階だよ』
「…なぁ、マジで言ってる?」
だって、マンションの最上階っつったらVIPルームだぞ。