魁桜


今のあたしにはこれが精一杯の反撃。

頭ん中がふわふわしてて…ぼーっとしてる。



「…キスだけでそれじゃ、先が思いやられるな」

『……ばーか』



溜め息をつく暁斗にそう言ってやった。

だんだん脳ミソが正常に働き出したし。

今思えばさ、隣の部屋に琴音と隼人が居るんだよ?

聞こえてたらどーすんの!気まずいじゃん!!



「稚里」

『何!?』

「…今度は襲うぞ」

『なぁに暁斗♪』



今の声は本気だった。マジだった。

…恐るべし魔王。



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