魁桜


「だめ…?」

「……」



最終的に、琴音が折れそうだった。

まっ、琴音さんはあたしと同じでかわいい物(者)好きだからね。

仕方ないっちゃあ、仕方ない。



「いい、よ……」

「やったぁー!」



爽汰の喜びように苦笑いする琴音。

…行きたくないし、譲れないけど…。

まぁ…海に入らなかったら、いいかなぁ…。

ああでも行きたくない……。

悩むなぁ、あたし。



「稚里ちゃんは?」

『……』



そんな期待した顔で見られても。



「琴音ちゃんが行くから、ちぃちゃんも来るよねぇ?」



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