魁桜
「………。」
「…?」
何も反応しなくなった隼人に、ちょっと怖くなって恐る恐る見上げた。
「!、隼人?顔…真っ赤だよ?」
そう言うと、ぎゅっと抱き締めてきた。
「!?」
「そんな言い方するなんて…ズルいなぁ。ほんと」
「へっ?」
すると車がゆっくりと止まった。
…あ、家に着いたんだ。
「隼人さん、」
「ああ」
隼人はあたしを見るとにこっと笑って、目隠しをした。
「は…隼人…?」
「―――…」
耳元で、最高に甘い言葉を囁く。