魁桜
屋内にもお店があって、食べ物だったりぬいぐるみだったり、アクセサリーだったりがたくさんあった。
あたし達が最初に入ったのはアクセサリー屋さん。
『これ可愛いー…』
ペア物のネックレス。シンプルに、チェーンには指輪が引っ掛かっている。
「稚里にしては珍しくシンプルだな」
『…何それ。派手だって言いたいの?』
「いや?」
……そんな事言いながら顔がニヤけてるんですけど?
「買うの?それ」
『嫌?』
「別に?」
『曖昧だなぁ。ま、嫌がっても買うけど』
あたしはニコリと笑ってレジへ小走りで向かった。
暁斗とお揃い物、今まで無かったんだよ?ネックレスは別にいいんじゃん?
「ありがとうございましたー」
お店から出ると、ポケットに手を突っ込んだ暁斗がいた。
その遠巻きに女の子がヒソヒソと話している。…そんな立ち姿も様になってるもんねー。モデルやってます、って言われても不思議じゃないしね。
『お待たせ。次行こ!』
「ん」
次は、さっき言っていたぬいぐるみが置いてあるお店。
くまとかうさぎとか、兎に角可愛いぬいぐるみがたくさん置いてある!