魁桜
暁斗からネックレスを受け取って抱き着くようにしてそれをつけた。
手が少しだけ震えて、それだけの事なのに心臓がドキドキと脈打つ。
『っわ!』
離れようと体を浮かせたら、ぎゅうと抱き締められて、ドキンと心臓が大きく波打った。
…っだから、不意打ち…。
『暁斗……?』
「稚里…。俺から絶対離れるなよ。お前が嫌がっても、離す気はねぇからな」
『……うん。離れないよ、絶対』
ゆっくりと体を離されると、頬に手を添えられじっと見つめられる。
『暁斗が嫌がっても、離れないよ?』
「ふっ…。上等じゃねぇか」
不敵に笑ってゆるゆると頬を撫でられる。
「―――…愛してるよ」
その言葉を甘く囁いて、触れるだけのキスをした。
まだ素直になれないあたしだけど、あたしも、愛してるよ…。
-end-