魁桜
別に、死にたかったワケじゃない。
でも、生きたいワケでもない。
だってあたし、捨て子だし。
どうせ誰もあたしを必要としてないでしょ。
「………何してんの」
目を開けた先には、眉間にシワを寄せた稚里。
まだ距離からして遠いから、あたしの格好は見えてない。
「……別に、何も」
稚里はどうして、ここにいるのがあたしだって分かったの…?
「何も?よく言うよ。…ボロボロなクセに」
…見えて、たんだ…。