魁桜
「琴音ちゃん…!?」
ああ、やっと施設に着いたんだ…。
安心感からか、あたしは意識を手放した。
目を覚ましたのは、それから2日後の事。
いつも隣にいるハズの稚里が居なくて、時計を見たらもう昼過ぎ。
「――…!!」
「―…!?」
何だか外が騒がしくて、セーターだけ着て部屋を出た。
「何でもないワケないでしょ!!一体何をしたの!?」
「だから、何でもないって。関係ないでしょ?」
「そんなに怪我してるのに!」