深夜2時~出会った君の正体~
2
「強いんだね」
「ん?」
「ん?俺、変なこと言った?」
「いや…、そんなこと初めて言われたから」
ビックリした。
そんなことみんな言わないから。
そして、嬉しかった。
私を変な目で見ないでくれて。
こんな人もいるんだと思った。
「ねぇ、名前は?」
「大和(やまと)」
「ネーミングセンスあるね」
「君は?」
「音羽(おとは)」
「可愛いじゃん?」
可愛い?
そんなこと言われた初めてだった。
名前だとしても、誉められるのが初めてだった。
私には、誉められた記憶がない。
悲しい記憶すぎる。