恋風〜恋ってセツナクて風が心まで冷たくしちゃうの?
「 あれ?
ほのかちゃん?
なんで?
青葉のとこにいるの? 」


その言葉で
私は顔を上げた。


えっ?

そこには紺野さんと
もう一人の男性がいた。


「 紺野さん!
純平さんの居場所…
知ってるんですか? 」


「 純平さん?
ほのかちゃんって、
青葉の? 」


「 純平さんは私の大切な人です!! 」


私は携帯の待受を二人に見せた。

待受には、
純平さんとの2ショット。


「 わかった…。
ほのかちゃん…
あいつの前で泣かないって約束して。 」


私はなんだかわからず頷いて車に乗り込んだ。


泣かない…?
泣かない…って?
どういうことなの?


大きな病院のガラスの中に、
純平さんがいた。


泣いちゃいけない!
泣いちゃダメ!


大切な人が
いろんな管がついて
ベッドに寝ている。

目を開けることもしないでいる。

あの大きな目で
私を見つめてくれないの?

泣いちゃいけない!


「 純平さん!
ほのかは、ここにいるよ。
ねぇ…
ほのかって呼んで! 」


泣いちゃいけない!


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