恋風〜恋ってセツナクて風が心まで冷たくしちゃうの?
純平さんの事故から二ヶ月が過ぎていた。


楽しかった通勤も
今ではダイヤ改正もあり
同時刻はなくなって
車両も変えてしまった。


駅の階段をおりると
つい、いないとわかっていても
純平さんを探してしまう。


「 ほのか…。 」


左肩をたたく人
純平さんではないって
わかっていても
期待してしまう。


「 倫子…おはよう! 」


倫子の顔をみると
やっぱり安心する。

…安心するけど、
あれれ?


「 ほのか…
今夜付き合ってくれないかな? 」


何かいいことではないって、
わかってくる倫子の顔に
私は頷くしかなかった。


私一人が
悲劇のヒロインなんて顔してたらダメだね。

純平さんは
私のそばにいてくれている。

だから、大丈夫。
私は大丈夫。

だって別れようとか言われてないんだもん。

ずっと純平さんの彼女だもんね。

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