恋風〜恋ってセツナクて風が心まで冷たくしちゃうの?
「 瑠香、今日もかわいいなぁ。」


ママにキスをしているパパ。
もう朝から2人に見せつけられているよ。
毎日のことだけどさ、
両親は結婚して20年以上になるのに。

もう!
ためいきが出るくらいラブラブです。
今彼氏がいない私としては、
この2人のラブラブは毒薬です。


「 ほのか!
朝からためいきついてないのよ。
幸せが遠くに行っちゃうわよ。 」


それにしてもママかわいいなぁ。
とても44才には見えません。
この前なんて、
かおりちゃんと3人で買い物してたら、
ママがナンパされたしね。

娘2人をさしおいてね。


なんだかボーッとしているように見えたのか


「 ほのか!
一人で会社行ける?
パパと駅までは一緒に行けるようにしなさいよ。
なんか、もう心配で…。 」


めちゃくちゃ心配されすぎな私。
ママに文句を言おうとしたら


「 ママ、この一ヶ月は私がそばにいるから大丈夫よ。
でも来月からよね。
私、朝しばらく通う? 」


2人の会話は、
どう聞いても私のことなのに。
私にコメントさせることもなく話が進んでいく。


「 あの…ママ、かおりちゃん。
私、小学生ではないんですけど。
わかってますか?
今日から通勤する社会人なんですけど…
一人で通勤できますけど! 」


私にしては珍しく大きな声を出してしまった。

2つしか年齢かわらないのに、
かおりちゃんは
ホントにお姉ちゃんでね。
いつも私を守ってくれてるような。
いや、守ってくれてるんだよね。


でも、
来月、
かおりちゃんは結婚するんだ。
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