初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
2人の時間
――放課後
「真白、帰るぞ」
「あ、ゴメン。忘れ物したから取りに行ってくるね!」
「ん。じゃあ…いつものとこで待ってる」
「分かった!できるだけ早くそっちに行くね」
「慌てすぎて転ぶなよ〜」
雪君がイジワルそうに笑いながら言った。
「転ばないも…きゃあ!」
言われた傍から転ぶ私って…。
「大丈夫かよ?あー血が出てんじゃん!」
雪君は私の擦りむいた膝を見て言った。
「これくらい何ともないよ!」
「い〜や!ダメだ。保健室に行くぞ」
「大袈裟だよ〜」
「消毒しないと、バイ菌入って化膿する」
こんなに小さな擦り傷くらいどうってことないのに…。
やっぱり、雪君は……優しい。