初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
帰り道
「結構暗いな」
校内を出ると、夕焼け空が夜空に変わっていていた。
「本当だ…。もう、7時30分だよ」
「急がないと、例の奴に会ったりでもしたらまずい」
「"例の奴"って…通り魔のこと?」
「そう、通り魔現れるの夜らしいし。今絶好の時間だしな」
「ちょっ!?本当に現れたらどうするの」
「そん時はなんとかなる」
大丈夫かな…。
「んな、心配そうな顔するなよ。大丈夫、俺が傍にいるから」
「う、うん」
びっくりした…。
雪君ってあんなに大人っぽかったけ?
不思議だね。
雪君がそう言うと本当に大丈夫な気がしてくる。
雪君が言う"大丈夫"は私を元気にしてくれる、魔法の合言葉だね。