初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
きっと大丈夫。
例え、通り魔が現れたとしても…。
雪君が傍にいるから。
――ヒュウ
冷たい風が吹いた。
「寒いな…」
「……。真白」
「何?」
雪君は少し目線を逸らしながら私にあるものを渡してくれた。
「…これって、マフラー?」
「半分、貸してやる」
「半分?」
半分ってどういう意味なんだろ?
「だから、こういうこと!」
雪君は私にマフラーを巻くと残った半分のマフラーを自分の首へ巻いた。
「――っ!」
これ、さっき手を繋いだ時よりも恥ずかしいかも。
だって、こっちの方が雪君と私の距離が近いし…。
でも……。
「温かい…」
「良かった。これでさっきよりは温かいだろ?」
「うん…。ありがとう、雪君」
こういうのが"ぬくもり"って言うのかなぁ?
帰りたくないな…。
このまま時間が止まればいいのに。
そしたら、雪君とずっと一緒にいられるのに。