初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
◆第1章◆ ―真白―
待ち合わせ
「遅いなぁ……」
吐いた息で目の前が真っ白に染まる。
それもそのはず。
今日は今年初めての雪…初雪が降っている。
駅前にある、イルミネーションで飾られた木の下で私はある人と待ち合わせをしていた。
「もう30分も過ぎてるのになぁ……」
どうしたんだろ。
いつもならこんな風に遅刻したりしないのに。
……待っているのは幼馴染みであり、私の好きな人。白石 雪斗(しらいし ゆきと)。
私は"雪君"と呼ぶ。
今日がどれだけ待ち遠しかったことだろうか。
「今日こそ伝えよう……雪君に"好きです"って」
雪君は小さい頃入院していた時に知り合った男の子。今は完治しているけれど、私は昔から体が弱かったせいでよく入院をしていた。……そのせいで友達がいなかった。
毎日病室から同じ景色を見ながらベッドで寝ているだけの日々。
両親は共働きのため1人で病室にいることが多く、寂しい毎日だった。
そんな時、隣のベッドに入院してきたのが…雪君だった。