初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
窓と思い出
雪君が帰った後、私はそっと窓にある小さな傷を指で撫でた。
「…懐かしいなぁ」
この窓には大切な思い出がある。
そう、大切な大切な思い出が…。
あれは、私と雪君がまだ小学生だった頃…
◇◆◇◆
「今日隣に引っ越してきた、白石です。」
退院してから2年ほど経ったある日、偶然にも雪君が隣の家に引っ越してきた。
前みたいに病院に通院することもなくなり、会う機会がほとんどなくなっていた。
そんな時に雪君が隣に引っ越してきて、すごく嬉しかった。
部屋も向かい合っていて、いつもお互いの部屋の窓から出入りして一日中一緒にいた。
学校も一緒になり、私は浮かれていた。
"雪君とずっと一緒にいられる!"
そう思いながら。
だけど、しばらくしてある事件が起きた…