初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
その日は両親が仕事で外出していて、お兄ちゃんはバイトだったから1人で留守番をしていた。
「あ〜あ…お留守番しなくちゃいけないし、雪君はいないから会えないし…つまんないよ〜!!」
私がガッカリしていると「真白ちゃん!」と、雪君が窓からひょっこりと顔を出した。
「……雪君!? えっ…どうして。 今日はおばさん達とお出掛けするって昨日…」
「うん。だけど、ただの買い物だったし、めんどくさいから行くのやめたんだ〜」
…嘘。
買い物するデパートで今日雪君が大好きな戦隊ヒーローのショーがあるから楽しみだって、嬉しそうにずっと言ってたのに…。
「真白ちゃん、今日お留守番なんでしょ? ボクも今日お留守番だから、一緒に遊ぼうよ!」
もしかして…私がお留守番するのを知ってやめた…とか?
「…ごめんね」
「なんで謝るの? 真白ちゃん、何も悪いことしてないよ?」
「でも、私のせいでショーが…」
「真白ちゃんのせいじゃないよ! ボクが勝手に行くのやめただけなんだから」
「でもっ…」
「そんなことより、ほら遊ぼうよ! ママ達いないからいっぱい遊べるよ!」
それが雪君の優しさなんだと悟った私は、雪君がショーに行けなかった分の何倍も楽しい1日にしようと思った。
「うん!いっぱい、い〜っぱい遊ぼうねっ!!」