初雪恋〜あの日をもう一度君と〜


「じゃあ、どっちの家で遊ぶ?」

「ん〜。 昨日は雪君の家で遊んだから今日は私の家にする?」

「うん! じゃあ、そっちに行くからちょっと退いて?」

「わかった」

私が窓から少し離れると同時に、雪君は勢いよく窓から飛びうつりあっさりと私の部屋へと入ってきた。

「すご〜い!」

私は1人では飛びうつれないから、雪君に手伝ってもらってやっとできるくらいなのに。


…そういえば、雪君は昔から何でも出来ちゃうような人だったなぁ…。


「何して遊ぼっか?」

「雪君が決めていいよ!」
「ボクは真白ちゃんがしたい遊びがしたいな」

「この前も、その前もそう言って私が決めちゃったから、今日は雪君が決めて?」
「んー 何がいいかなぁ…。 あ、"なりきりごっこ"がしたい!」


"なりきりごっこ"とは、いわゆる"おままごと"のようなもので、それぞれが好きな役になりきってする遊びのことだ。


「今日は何でするの?」

「遊びはボクが決めたから、テーマは真白ちゃんが決めなよ」

「んー…あっ! "戦隊レンジャー"にしようよ!」


雪君がショーに行けなかった代わりに…


「うん! そうしよっか。真白ちゃん何役にする?」
「ピンク! ピンクは可愛くて強いから」

「じゃあ、ボクは赤にしようかな…。 赤は一番カッコいいし、ピンクと仲良しだから」

「うん、雪君にぴったりの役だね」

「真白ちゃんだってかわいいからピンク役にぴったりだよ」


< 53 / 81 >

この作品をシェア

pagetop