初雪恋〜あの日をもう一度君と〜
「雪君ごめんね、まだ支度終わってなくて…」
「いや、待ち合わせ時間より早く来た俺が悪いんだし」
「今から支度してくるから、ちょっと待ってて!」
私は部屋へ駈け上がると、アクセサリーやらメイクをパパッとして雪君の待つ一階へ行った。
「雪君お待たせ!」
「そんな急がなくても良かったのに…」
「平気だよ。じゃあ、行ってくるね〜」
「おい! 真白、兄ちゃんはまだ認めて……」
「行ってきま〜す!」
―バタンッ
ドアが閉まってもまだ蒼お兄ちゃんの声が聞こえる。
もう、近所迷惑だよ。
「蒼兄、社会人になっても相変わらずだよな…」
「うん。過保護過ぎるよね。いつからだっけ?蒼お兄ちゃんがあんなに過保護になったの」
「もともと心配性だったけど…俺らが小3の頃ぐらいからあんな感じだったよな」
「小3って事は、窓のことが原因なのかな…」
「たぶんな。 蒼兄かなり心配してたし」