君がいるだけで…[番外編短編集]
「真尋くんっ!今度はあれ!」


楽しそうに次々何かを見つけては
指を差して、俺の手を引っ張る。


それに付き合うのは、中々嫌じゃない。


「美味しい!真尋くんも食べる!?」

『さんきゅ』


美味しそうに屋台の食べ物を食べて、
俺にも差し出してくれる。


『あ…、射的、』


また紗羅と一緒に歩き出した時、
射的を見つけた。


「…」


俺も紗羅も、思い出してるのはきっと、
朔也先輩と勝負をしたこと。


『紗羅、取ってあげる。何がいい?』

「じゃあ…、うさぎのぬいぐるみ!」


少し微笑みながら紗羅が答えてくれた。


『はい、うさぎのぬいぐるみ』

「ありがとう!」


何だかんだ言って、
俺もみんなとのお祭りは楽しかったから

少し寂しかったりする。


多分、みんなも意外とそうなんじゃないかな。


なんて思ったり。


< 124 / 219 >

この作品をシェア

pagetop