君がいるだけで…[番外編短編集]

「紗羅ちゃん、紗羅ちゃん！」


パソコンと向き合いながら
新しく入った仕事をしていたら…


玲子さんが楽しそうに私の方へ近寄って来た。


「何ですか？」


少し、休憩することにしよう。


そう思いつつ紅茶を一口飲んだ。


パソコンと向き合う前に
入れた紅茶はすでにぬるくなっていたけど、

時間を忘れてパソコンを見ていた私にとってはそれでもとても癒やされる物だった。


「もうすぐバレンタインじゃない？」


玲子さんの言葉で思い出した。


もうバレンタインが後一週間後に迫っていたことに。


「あ、そうですね」


そういえばCMも町も人も、
すでにバレンタインの雰囲気で溢れていた。


忘れていたという訳ではないけど、
まだ全然先のことだと思っていた。