君がいるだけで…[番外編短編集]
「さて、どんなチョコケーキがいい?」


材料を買いに行く前に、
美月の作りたいチョコケーキを見つけることに。


「んー…」


いつになく真剣に本を見ている美月はちょっとレアだ。


そんなことを思いながら一緒に本を見ていたら…


「あ、」


美月がページを捲る手を止めた。


「ザッハトルテ…?」


釣られて見てみると、
それはザッハトルテだった。


「これ、にしようかな…!?」


「うん、いんじゃない?」


これなら高校の時、家庭科部で作ったことあるし。


「じゃあ決定だね」


そう私は言って冷蔵庫を確認して、
昨日メモった紙に、買う材料を追加していく。


「よーし、買い物行こ~!」


そして二人で近くのスーパーへ向かった。


今までではありえない光景に、
ちょっと嬉しくなった。


と、同時に、最近はお互いが忙しくあまりゆっくりは喋れなかったので、たくさん喋りながらの買い物とクッキングはとても楽しかった。


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