君がいるだけで…[番外編短編集]
「こんな感じ…?」


チンという音がキッチンに響いて、
私と美月はオーブンを覗く。


「おぉー!いい感じいい感じ!」


「なんかさ、意外とこういうのも悪くないね」


生地が出来上がったので、
次の作業に移ろうとしていた私へ美月が呟いた。


「でしょ?」


笑顔で美月の方を振り返る。


そんな私に、美月も笑顔を返してくれた。


「じゃあ美月、次はこれね~」


「はい!紗羅先生!」


美月に指示しながらも、
自分のも手を進める。


「紗羅は何作ってんの~?」


指示した作業をしつつ、美月が私の手元を覗き込んで来たので、


「内緒!」


と言ったら美月から
「えーっ!」という言葉が返って来たので。


「出来てからの、お楽しみ!」


と、返しておいた。


そして、あっという間に完成した。


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