君がいるだけで…[番外編短編集]
お菓子作りって試食が楽しみでもあるよな~なんて思っていたら、
今度は美月が私のスノーボールの感想をくれた。


「紗羅のも美味しいし、楽しくていいよ、これ!」


このスノーボール、実は中身を色々変えてみたのだ。


真尋くんには、ホワイトチョコ。

会社の人たちには、一つ一つに違う味のジャムを入れてみた。


「ほんとは粉砂糖じゃなくて、更にホワイトチョコでコーティングしようと思ったんだけど、そうするとくどいかな?」


せっかくだから美月に質問してみた。


「んー…、甘いの好きな人だったら、そうしてもいいんじゃないかなー?小さいからそんなにくどくないと思うよ。」


「そっかー!ありがとう!」


美月の言葉で、真尋くんにはホワイトチョコでコーティングして、中身がホワイトチョコのスノーボールだけだとくどくなりそうなので、中身がビターチョコのスノーボールも増やすことにして、

会社の人たちには粉砂糖のままで、楽しんで食べて欲しいので、中身も色々な味のジャム入りのままにすることにした。


その日は1日作っては味見を繰り返していた。


その甲斐があって、私も美月も満足行くお菓子が出来上がった。


「前日も一緒に作る?」


今日はあくまでも練習なので、
本番はまた前日に作ることになる。


だから美月に提案してみたのだけれど…


「ううん、自分一人で頑張ってみる!」


なんて可愛い言葉が返って来た。


「そっか!じゃあお互い頑張ろうね!」


「うん、今日はありがとうね!」


笑顔でそう言って、美月とバイバイした。


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