君がいるだけで…[番外編短編集]
「ごめんね、紗羅ちゃん。めんどくさい奴が。」


「いえ…」


呆れている玲子さんに、苦笑いで答えた。


『はぁー、ほんと良かった!』


まだそう言いながら、
嬉しそうに紙袋を抱えている。


玲子さんの前でそんなに喜んで大丈夫なのかと思いつつ…、


会社の中では一番お世話になった玲子さんと高杉さんだったので、喜んでくれたのはとても嬉しかった。


『紗羅ちゃん、ホワイトデーは何がいい?』


「えっ、そんな、いいですよ!」


『いやいや、こんな気持ちの籠った…っ!?』


そこで、高杉さんの言葉が止まったのは、
玲子さんが高杉さんの耳をいつのまにか掴んでいたからで…、


「はいはーい、さっさと仕事に戻りましょうねー」


『痛っ…イタタタ!』


玲子さんに耳を掴まれながら、どこかへ連れて行かれてしまった。


「………」


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