君がいるだけで…[番外編短編集]

「お疲れ様でしたーっ」


あっという間に定時になり、
彼氏や彼女がいる人たちは作業を終わらして足早に会社を出て行く。


『桐谷さん、チョコありがとうね！お疲れ様！』


「いえいえ。彼女さんに誤解されないようにしてくださいね。お疲れ様です！」


わざわざ声を掛けてくれる人もいて、
そんな会話をした。


「紗羅ちゃーん、まだいるの？」


そんな時、隣の玲子さんが声を掛けて来た。


「ここまでやったら帰りますよ！」


さすがに私も今日は残業なんてしない。


「玲子さんだって、まだ会社にいる気ですか？」


「まぁ、私のお相手は仕事大好き人間だからねー。」


「ふふっ、そうですね。」


まだ高杉さんは仕事をしている。
一緒に会社に残って、終わったら一緒にレストランへ向かうみたいだ。


「よし、終わったー。」


そう言ってのびーっとした。


そんな私へまた玲子さんが声を掛けてくれた。


「お疲れ様。彼氏とラブラブな日を過ごしてね。」


「玲子さんもですよ」


「ありがと。」


「お疲れ様でしたー！」


会社に残っている数名に聞こえるようにそう言って、会社を後にした。