君がいるだけで…[番外編短編集]
『ありがとう。良い匂いだな~』


そういってこっちへ近寄って来た真尋くんは、
何故だか私の後ろに回って、私を抱き締めた。


「ま、真尋くん…!?」


突然の行動にびっくりして、
持っていたハンバーグを落としそうになった。


「あ、の…料理が…」


いつになってもこういうことには慣れることが出来ない。


というか、真尋くん何かあったのだろうか?


「あの…真尋くん?何かあった…?」


そう聞けば、耳元で声が返って来た。


『いや、幸せだなって思って。』


「へぇ?」


思いもよらなかった返答だったので、
間抜けな声が出てしまった。


『帰って来たらこうやって好きな人がいて、俺のために料理してくれてる。幸せすぎるな』


そんなことを言われれば、
もう私の照れ加減はハンパない。


顔が、熱いよ~~~。


でも、真尋くんに何かあったわけじゃなくて、良かった。


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