君がいるだけで…[番外編短編集]
『ごちそうさまでした。』


綺麗に完食してくれると、嬉しくなる。


「あ、置いといていいよ?私洗うから!真尋くんは、ゆっくりお風呂入って来て?」


そう言えば、満面の笑みが返って来た。


何か、嫌な予感がする。


『食器洗うの手伝うよ!』


そんな予感は間違っていたのか、
普通の言葉だった。


疲れてるだろうし断ろうとも思ったけど、
真尋くんは意外と一回言うと聞かないとこがあるので、お言葉に甘えて食器洗うのを手伝って貰った。


「ありがとう。」


また他愛ない話をして、一緒に食器を洗った。


『食器洗うのも終わったことだし、』


そこで言葉を切った真尋くんに、
今度は確信した。


何か企んでいる、と…。


『一緒にお風呂入ろうか?』


その確信は当たった。


「むむむ、無理!」


『食器洗うの手伝ったでしょー』


「手伝ってなんて言ってないっ!」


『もう決めたことだから。紗羅に拒否権はないよー』


そう言って、私をひょいっと抱き抱えてお風呂場へと向かう真尋くん。


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