君がいるだけで…[番外編短編集]
「ありがとうございましたー」


見つけた指輪は幸い在庫もあり、
その場で買えることが出来た。


指輪の入った小さめの紙袋を持って、店を出る。


このまま帰ると怪しまれるので、当初の目的のコンビニへ向かった。


そして今度は時間稼ぎなどせずに、
アイス売り場へ。


まだ寒い時期だし、
二人で分けて食べられる物にするか。


なんて考えつつ一つだけ手に取ってレジへ。


『ありがとうございましたー』


今度は気だるい店員に見送られて、
今度こそ美月のいる家へ帰宅する。


『ただいまー』


ドアを開けて中に入ると、今度はちゃんと声が返って来た。


「おかえりー」


炬燵に入ってのんびりしている。


どうやら作業は終わったらしい。

キッチンは何もなかったように綺麗になっている。


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